本を一冊貸しただけなのに、「運命」とか使ってしまう気持ちはよくわかるぞ、って話
学生時代にバイトしていた居酒屋で週に1回程度、お手伝いに行っている最近。
そこで働いてるバイトのモモちゃんという子とほとんどシフトが被るのだけれど、2回目に被った時からお互いの趣味が共通とわかり意気投合。仕事終わりにバイトに行くわけだけれど、ただのリフレッシュでしかない、楽しい。
「結婚式も続くから、お小遣いがもう少しあったらいいな」という気持ちで始めたけど、その時に「お金に欲はもたない」と決めていたから気持ちが楽だ。お金の為に働いていた学生時代とは違い、人と喋りたい、運動不足解消という方が今は目的となり、エプロンの中にはポケモンGOを潜めたまご孵化用のウォーキングの役割も果たす。
話がすぐにそれるが、私のなぜバイトしているのかという理由はそれだけで、今日聞いてほしいことはモモちゃんと意気投合した話。
ひょんなことから百田尚樹さんの『フォルトゥナの瞳』の話になった。モモちゃんは映画を見ていて、私は本を読んでいた。モモちゃん曰く、まじで泣けたらしい。でも、私は原作があるものの映画は再現不可だと決めつけているところがあるので前向きではない。それを話したら「本を読んでみようかなー」というから、「貸してあげるよ!」と、モモちゃんに本を読んでもらうことになった。
翌週、本を貸した。「今日持ってきたから貸すね」「まじすか!忘れてると思ってました」「なんでよ~、覚えてるよ」そう言って手渡した。
そしてそのまた翌週は今週の出来事にあたるのだけれど、「ありがとうございました~~!」と、返してきた。読むの早い…!「いま、砂漠読んでます!」
砂漠
価格:853円 |
モモちゃんに好きな作家を聞かれた時に「伊坂幸太郎かな~」と言ったら、モモちゃんは伊坂幸太郎を読んだことがなくて、おすすめを聞かれた。あれもこれもおすすめとして読んでもらいたいのだけれど、脳内で一冊ずつモモちゃんに貸すイメージをしていった時、漫画でいう手元でポンっとしたときに豆電球がぴかっと光る思いつきをした。
「モモちゃんいま大学生じゃん!絶対砂漠がいいよ!」とおすすめしておいたのだけれど、そしたらもう買って、読み始めていた。
「もう、めちゃくちゃ読書にはまっちゃって、ずっと読んでます」と言った。もともと本を(活字)を読むのに抵抗はない子だったみたいだけど、それにしても。ブックソムリエ(※)になりたい私にとっては究極の褒め言葉だ。
※ブックソムリエ…私が勝手に作ったそれっぽい単語言。オススメの本を聞かれたら日常やキャラを考えて本をオススメできるだけの本を読みたいという目標だよ。
私のおすすめを続けて読んでくれて、舞い上がらないわけがない。私より本を読む人なんて万といる。でも、モモちゃんよりも少し歳を重ね、自信を持ってお勧めができる本があって、それを素直に聞き言れてしまってくれた先に、「読書にはまってしまって」という影響を与えられた。
フォルトゥナの瞳を返してくれるのと一緒に、モモちゃんのおすすめの本を貸してくれた。読んだことのない作家さんだ。こうやって、世界は広がっていくらしい。
私が昇一と最後に会ったのはふたりが小学校に上がる直前くらいの時だっただろうか。---
砂漠は、私が大学生の時に読みたかった本。少し遅くて、社会人一年目の時にやっと私の手元に巡ってきた。悔しかった。でも今回、現役大学生に読むことを託せた。よかったよかった。
価格:779円 |
表紙リニューアルしてまた売り上げが伸びたらしいぞ。大学生にお勧めしたい本ランキングに入っていたぞ。さすが私。
極めつけがこれだ。そうそう、本を読むと運命ってものがよくわからなくなるし、これもまた運命、運命、運命、いや、選択すること一つも、選択する運命なのか選択によって運命が変わるの…いろいろわけがわからなくなるけど、今のこの運命を受け入れられるようになるというものだ。
※運命を語りはじめたくなる物語がフォルトゥナの瞳
では今週の土曜日も、元気にバスケをしてきます。眠たくて仕方ないところだけど、自分へ言い聞かせた言葉を信じて。
(PC開いたときにその時の記事しれっと貼っておきます)
おわり