アナログラジオ好きがラジオアプリを受け入れた日。
わたしのラジオ暦は結構長い。
小学校4年生か、5年生の頃のお誕生日プレゼントはラジカセをねだったという渋さが良いだろう。
ピンク色のドンッとして丸っとしたCDとカセットテープを入れられるラジカセを買ってもらった。
カセットテープはA面もB面も巧みに使いこなして、ラジオでいい!と思った音楽が流れてきたら即座に録音をして、あとから聞き直してネットで歌詞検索をするという小学生だった。
我ながら年寄りくさいというか現代こっというか、ハイブリットな小学生だ。
その中でも特に『今宵の月のように』は流れるたびに何度も録音してしまっていた(好きなくせに覚えられない曲だった)。わたしをつくる音楽はもうここらへんからすっかり影響を受けている。
ラジオの熱狂的ファンとかではないけど、家庭でラジオを聞く習慣があったわけでもないのに、わたしの中では当たり前にラジオを聞く習慣ができたのはきっと映画『Little DJ 小さな恋の物語』を見た時だと思う。
なんだかわからないけど、ラジオ聴いてる自分すこ!!!!!っていう酔いもあったかもしれない。
ちなみにゆっかは福田麻由子ちゃんが大好き。神木くんも好きだけど、神木くんは同い年なんだぜ!ていう謎の自慢につながってしまうから、お前何様だよ、と思われたくなくて控えている。
とそんな感じで高校生までは基本的に好きなラジオ番組の時間は勉強する=部屋にこもるというルーティンを作り上げ、毎晩ラジオを聴いていた。カセットテープでの録音は相変わらずだったけれど、ラジオのリクエストはすでにネットの時代だったから、よくリクエストを送ったりしていた。
(知っている限りでは)2回読んでもらったことがあって、1曲は広末涼子の『MajiでKoiする5秒前』、もう1曲は悩みとか相談を送ってDJに音楽をプレゼントしてもらうって感じだったんだけど、残念ながらカセットテープの録音ボタンを押したくなる音楽ではなかった。でも、マメにリクエスト送って、読まれるっていうのは嬉しいもの。ハガキ時代ならまだしも、ネットだと応募数すごそうじゃん。
ラジオのいいところは知らなかった音楽を知れることはもちろん、電話が繋がったり手紙が読まれたりする時にクスッと笑えてしまう他人事。どーでもよすぎておもしろいことも、告白をします応援してください!っていう普通顔がわからなければそんなに興味もわかないエピソードもこっちがドキドキしてしまう、同じ周波数に合わせた空間での一体感だとおもう。
と、そう、ここで周波数。やっと出てきた。
radikoというアプリをみなさんはご存知だろうか。
このアプリがリリースされる時は興奮したね。
ポータブルのラジオは持っていないから移動中に聴くことってなかったんだけど(ウォークマンでもラジオは聞けたけど電車とかはポンコツだった)「飲み会で今日のラジオ間に合わない!!!!」なんてときにスマホで聴けるとか最高じゃん!!!!と。
(この時はオールナイトニッポンの大倉くんと高橋優の番組が大好きだった。
ちなみにいまもやっているけど、最近はすっかり聴いていない)
あのね、でもやっぱりラジカセでアンテナ伸ばしてよく受診してくれる角度を探して、時間に合わせて周波数いじって、82.3だとおもっていたチャンネルは82.5だった、という家の電波の良し悪しや、そうやって偶然めぐりあったチャンネルとかのアナログ感がわたしのなかのラジオ好き、の一つだったのだと思う。
アプリでチャンネルが一覧となり、流れた音楽の購入URLが貼られた概要欄、聴いている音楽の周波数はもはや知らない。そして後で聴くなんていう機能もついてしまった。
リアルタイムで、聞き逃せないという危機感はどこへ行った!
今日リクエストを読まれるかもしれないのに!とか。
今日新曲が流れるかもしれないのに!とか。
時代の変化だった。きっとradikoのおかげでラジオを聴く人は増えたと思う。
でもわたしはラジオを離れてしまった。
後で聴けるからいまいいや・・・これが決定打だった。
後でしよう、の後では絶対来ないのは人間界の法則だ、よね。
ふむぅ・・・
でさ、今日「あ、仕事中のBGMにradiko使ってみようかな」と思い立った。
やべぇ、radikoはまりそう。最高だった。
オチがなさすぎる!!!!!
つまり、タイトルの通り。
周波数を探して聴くラジオが好きだったけれど、
アンテナを伸ばさなくても聴けるようになった現代。
ラジオがもたらす偶然の出会いという本質が変わらないラジオがやっぱり好きだ。
こんな夕方に斉藤和義の『歩いて帰ろう(1994)』なんか流してくれるなよ、最高かって!!!!